医療連携 運動器疾患

寺本 隆 先生 切れ目のないリハビリを再開でき入院期間の短縮も実現

陽明 寺本クリニック
院長

寺本 隆 先生

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薬剤師 寺本 真久美 氏
薬剤師
寺本 真久美 先生
  理学療法士 水谷 真士 氏
理学療法士
水谷 真士
  理学療法士 安達 尚 氏
理学療法士
安達 尚
  主任理学療法士 松田 徹也 氏
主任理学療法士
松田 徹也


●―八事整形医療連携会に参加された経緯をお聞かせください。

寺本┃当院は19床の有床診療所ですが、整形外科の専門診療や理学療法士によるリハビリテーションを軸に、かかりつけ医としての地域医療も担っています。私は名古屋第二赤十字病院に勤務していたこともあって、同病院のスタッフとは親交があり、患者さんの紹介・逆紹介も行っていました。しかし、私以外の当院のスタッフは交流できる機会もなかったことから、他職種との交流になればと考え、全スタッフが交代で連携会に参加するようにしています。

また、有床診療所としては、ベッドを空床にすることは経営的には厳しく、入院患者を定期的にご紹介いただくためには、急性期病院や他施設との連携は必要と考え、連携会への参加の意義を強く感じています。


●―地域連携パスのメリットをどのように感じられているのでしょうか?

寺本┃地域連携パスは転院の目処が決まってから準備するのではなく、入院当初からあらかじめスケジュールがはっきりしていますので、転院が円滑になって、患者さんの不満の声が減ったという印象はあります。また、地域連携パス運用以前と比べると当院の在院日数も短縮され、急性期から回復期までのトータルでの入院期間を減らすという目標にも近づいているように思います。

水谷┃地域連携パスによって、名古屋第二赤十字病院での治療やリハビリの流れと、患者さんのADL状況や日常生活上の細かい注意点などが一目で把握できるので、当院に来られた際に新たに評価する手間が省け、スムーズに継続したリハビリを提供できています。

安達┃大腿骨頸部骨折の患者さんは、リハビリ室で見せる様子と、病棟での様子が大きく異なる場合がありますので、看護サイドから見た病棟での患者さんの状態まで把握できることは適切なリハビリを行う上でとても有用です。また、地域連携パス運用後は、個々の患者さんの目標が短時間で把握できるようになって、転院初日から切れ目なくリハビリを再開できることが入院期間の短縮にもつながっているようです。


●―今後の課題や展望をお聞かせください。

安達┃当院を退院された患者さんについて追跡調査をしたところ、在宅に移られる方が最も多い結果が出ました。退院後そのまま在宅に移られる方もいれば、老人保健施設に入られてから在宅へ移られる方もいらっしゃいます。また当院の訪問リハビリで継続リハをされる方もいらっしゃいました。このように継続してリハビリを実施される患者さんは多く、次の環境でもスムーズにリハビリが実施できるよう、地域連携パスをもっと活用したいと思っています。

松田┃今後は再骨折予防も課題です。退院後のケアにも私たちが関われないかと考えて、病棟で家族を交えての転倒予防教室を開催しました。住環境や生活上の留意点について実技を交えて説明したのですが、とても好評で、患者さんや家族の再骨折予防に対する意識も高まったようです。

寺本(真)┃骨折予防のためには転倒予防対策はもちろんですが、背景にある骨粗鬆症の薬物治療も重要になってきます。骨粗鬆症は骨折のように直接痛みを伴わないのがひとつの特徴です。そのため、特に外来では服薬コンプライアンスが低下しがちなので、退院後も継続して指導に関わっていきたいと思います。

寺本┃腰椎圧迫骨折など、大腿骨頸部骨折以外に連携して診ていく必要のある整形外科疾患にも地域連携パス作成の活動を広げていきたいと思っています。


名古屋第二赤十字病院 木村病院
佐藤先生
黒木氏
古城氏
細江氏
田宮先生
木村先生


陽明 寺本クリニック 加藤病院
寺本先生
寺本(真)先生
水谷氏
安達氏
松田氏
銭田氏



転載:アステラス製薬「Astellas Medical Net」